追い討ち②

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早希が会計を済ませた。次は私の番だ。 「お願いします」 「千二百六十円です」 「領収書・・・お願いします」 サラサラと、相も変わらず美しい文字で書かれる領収書。 ピリッと紙をカットする音がする。 「ありがとうございました」 商品と領収書を受け取り、私と早希は店を出た。 『また後でね』とか『電話する』とか、全く言えなかった。 彼も、何も言わなかった。 お客と店員。 一瞬にして、私たちの関係が数か月前に戻った。 こんな、何でもないやり取りの中で、何かが音を立てて崩れた。
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