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その後、取引業者の幹部につかまった修二はそちらの相手で忙しいようだった。
早希は新調したというパーティードレスを触りながら少し不満そうだ。
「せっかくおしゃれしたのに、これじゃ意味無いなぁ」
「いいじゃない。こんな所でイチャイチャベタベタするのもどうかと思うわよ」
昨年と同じ、シンプルなパーティードレスの私は軽くイヤミを口にした。
どうせ、おめでたい早希には通じないだろう。
「京香も思ってるんでしょ?苅谷さんが離婚して直ぐに私と付き合ってるのは節操がないとか。それに浮かれてる私がバカみたいとか」
驚いた。予想外だった。
修二がバツ一だとか、離婚して速攻彼女と・・・とか。早希でもそんなことを考えてるんだ。
ただただ浮かれてヘラヘラと喜んでいるだけじゃなかったなんて。
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