ｼﾞﾑｵ第11話

追い討ち②

「そ、そんなこと・・・」

イヤミの一つでも言ってやろう程度に思っていた私は、一瞬にしてそれを後悔した。

「いいのよ。無理しなくて。だけどね、私、誰がどう思おうと、苅谷さんが好き。大好きな人と付き合えたことを皆に自慢したいし、幸せだよって伝えずにいられない」

「早希・・・」

幸せそうに笑う早希を見て、私は更に後悔した。

修二のことを話す彼女がこんなにも美しかったなんて、今まで全く気づかなかった。

それに比べて私は、真理さんがアルバイターだとか、みんなから『事務男』って呼ばれてるとか、そんなことを気にしていたなんて・・・。

私、なんてバカな女なんだろう。

少なくとも真理さんは、私が不倫女だと知った上で全てを受け止めてくれたのに。

こんな恥ずかしい私を・・・。

そんなこと、今更気づいても手遅れだよね。

私なんかより、早希のほうがずっと真っ直ぐで純粋で。

修二の言った通り、私はこんな風だから不倫止まりなんだ。