追い討ち②

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「京香聞いてよ」 数日後、たまたま出勤時間が一緒になった早希が話しかけて来た。 先日の大騒ぎから立ち直ったのだろう。 めちゃくちゃ晴れやかな顔だ。 早速新しい恋でも見つけたのだろうか。 「おはよう。随分ご機嫌なのね」 人間って勝手なもので、前は面倒で聞いてあげようとも思わなかった早希の話を、最近は聞くくらい聞いてあげようと思う。 自分の恋が不倫でもなく順調だってことが、私自身に心の余裕を与えているようだ。 早希はピョンピョンと軽く跳ねながら話しはじめた。 「苅谷さんがね。やっぱりお前しか居ないって、言ってくれたの」 「・・・は?」 「だからぁ、この前は京香にも迷惑かけちゃったけど、結局元通りってやつ?」 『やつ?』って、聞かれても私には回答のしようが無い。 確かに『キチンとしてあげて』と修二に言ったけれど、まさか付き合うほうを選ぶとは思っていなかった。 あんなに早希のことを侮辱していたのに・・・。
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