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「男紹介して貰う話、断ったらしな」
静かに話し出した修二。酔っ払ってはいないみたいだ。
「早希に聞いたの?」
私は少しずつ修二と距離を取りながら返した。
「ああ。男がいないなら・・・」
一歩離れれば、一歩近づく。
「なによ?」
「今夜一緒に帰らないか?」
酔っ払ってはいないけど、正気とも思えない。
ついさっき、この男は彼女をエスコートして会場へやってきたはず。
「何・・・言ってるの?早希はどうするつもりよ!」
私は思わず大きな声を出してしまった。
そんな私をフッと鼻で笑い、修二は一気に私との距離を詰めた。
驚いて後退った私の手首を強く掴み、グイッと自分に引き寄せる。
そして私の耳元でこう言った。
「お前は人のモノじゃないと好きになれないんだろ?コソコソと悪いことするスリルが好きなんだろ?」
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