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「そうなんだ」
そう言う以外、私には何も言えなかった。
その関係を否定する権利は私には無い。
だからといって修二の言った言葉を思いだすと、積極的に応援する気にもなれなかった。
「うん。で、京香は彼氏出来たの?」
「え?え・・・と」
突然の早希の質問に言葉がつまる。
簡単なこと。
『うん出来たよ。向かいの文房具店の・・・』
って。
私何で言えないの?
「クスクス。まだお一人様続ける気なの?京香、キレイなんだから、簡単なことじゃない。理想高過ぎなんじゃないの?」
私がハッキリ答えなかったせいで、早希は私に彼氏が居ないと判断したようだ。
言え!何を躊躇ってるの?
ステキな彼氏でしょ!
私は自分自身に必死で語りかけた。
「あ、はは。そんなこと・・・無いよ」
結局、言えなかった彼のこと。
私の・・・バカ。
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