幼馴染み①

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そんなこと言われたら、涙が止まるわけない。 私は弟の前で、みっともなく泣き崩れた。 せっかくのグラタンは、結局すっかり冷めてから食べた。 哲平は、本当は気づいてるのかもしれない。 だけどあえて、核心には触れなかった。 イイ男になったね。姉の私が保証するよ。 照れ臭くて口には出せないけど、あんたの彼女はきっと幸せ者だね。 嗚咽で喋れない私に、哲平は声をかける。 「なんだよ。今日は彼氏とケンカでもしたの?」 ずっと、私のこと心配してくれてたんだよね・・・。 ごめんね哲平、ケンカじゃなくて・・・終わってしまったの。 『言えない関係』のせいで、あなたの姉は大きな天罰を受けてきたの。 自慢の姉になれなくてごめん。 今度は心配かけないように、慎重に恋をするから。 見た目がカッコよくなくたって。 御曹司じゃなくたって。 幸せになることだけ願ってくれてる家族のために、次の恋は間違えないから。 「ごめんね・・・」 そう返すのが、精一杯だった。
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