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後ずさりすれば彼女の攻撃を受けることになる。
お店の中に進めば、大好きな人に別れを告げなくてはいけない。
どちらにしても地獄だ。
だけど、私を心配してくれてる弟や田舎の両親のためにも彼女から逃れることが先決。
これが、皆が幸せになる方法なんだ。
そう言い聞かせ、ドアノブを強く握り、ゆっくりとドアを引いた。
「いらっしゃいませ」という声を聞きながら、店内に彼の姿を探す。
心臓は爆発寸前だ。
カタン・・・
一人のお客が立ち上がってこちらを振り向いた。
やっぱり、言えない。
久しぶりに見た真理さんはあまりにも素敵で、一瞬にして私の決心を揺るがした。
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