幼馴染②

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「私、もうすぐ田舎に帰るの」 とっさについた嘘。 その内容に私自身驚いてしまう。 「お見合いするの。両親の勧めで・・・」 だけどもう、止められない。 この嘘を完結しなくちゃいけないんだ。 「お見合い???」 驚きの声と同時に持っていたコーヒーカップをガチャンとソーサーの上に置いた。 当然の反応だよね。連絡取れなくなったと思ったら、付き合ってる女がお見合いするなんて。 「うん。弟は私と違って優秀だから、きっとこのままこっちに残って仕事するんだろうし。そうなったら、私が家に帰るのが良いのかなって。両親もそれを望んでるみたいだし」 今まで、そういう選択肢を全く考えてなかったわけじゃない。 ただ、実際両親はそれを望んではいない。 私がそうしてあげられたら、両親が喜ぶかもしれないと時折思うことがある。 その将来のビジョンの一つが、こんな時に口を突いて出てしまったようだ。
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