274人が本棚に入れています
本棚に追加
「それってさ・・・」
先に沈黙を破ったのは真理さんだった。
「京香さんの未来には、最初から僕は居なかったってこと?」
「私の・・・未来?」
「僕は・・・僕の未来には京香さんしか居なかったんだけど」
未来の無い不倫ばかりしてきた私。
そんな私に未来を見せてくれたのは、紛れもなくこの人だった。
本当は、私の未来には真理さんしか居なかったし、今だって他の人なんか考えられない。
好き。大好き。
「楽しかった。真理さんとお付き合い出来て良かった。だけど、みんなが幸せになるには、私が田舎に帰るのが一番いいの」
「結婚前の遊びってこと?」
そんなんじゃない。そんなんじゃないよ。
「そう・・・捉えられても仕方ないと思う。ほら、私・・・そういう女だから」
思いとは裏腹な言葉を口にしながら、私は涙を堪えるのに必死だった。
最初のコメントを投稿しよう!