274人が本棚に入れています
本棚に追加
会社を休んで三日目。
私は自分の部屋に戻った。
たった数日の気休めにすぎないけれど、誰にも傷つけられないこの場所は私のシェルターのように思えた。
哲平は大学が冬休みになり、今日は朝からバイトに出かけた。
何か飲もうと思って立ち上がった私。
その時不意にインターフォンが鳴った。
もうすぐお正月だから、お餅かな・・・。
例のごとく田舎の両親から宅配便かと思い何気なく対応に出た。
「はい」
「突然ごめんなさい。どうしても伝えたいことがあって」
若い女の声。
可愛らしい鈴の音のような声が、私の心を揺り動かした。
オートロックのインターフォンの向こう。
やって来たのはあの『幼なじみ』だった。
最初のコメントを投稿しよう!