幼馴染②

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夜、私は哲平に『少し出かけてくる』と置き手紙をして、昼間彼女に差し出されたメモ紙の示す場所に向かった。 あの娘に写真を見せられた、あの会社近くの喫茶店だった。 『彼女は酷い女だ』と写真をバラまかれるのを覚悟で伝えたら、少しは同情してくれるだろうか。 万が一真理さんが私を本当に好きでいてくれたら、一緒に誰も知らない国に逃げてくれるだろうか・・・。 なんて、絵空事を考えてみたり。 だけど、彼は御曹司。 私みたいな馬の骨とは違って、背負っているものが多すぎる。 そんな簡単に全てを捨てられる訳がない。 それどころか、大事な人を悪く言われて怒り出すかもしれない。 最後の最後に、心底嫌われてしまうかもしれない。 そんな答えの無い葛藤で心は乱れているのに、私は指示された喫茶店に到着してしまった。
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