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「ヤベ・・・。ガムテープ無くなった」
「あ、買ってくるよ。お昼ご飯の食材すら無かったんだよね」
引っ越しが近いので、最近は買いだめして冷凍なんてことはしていなくて、少量の買い物をしてはその都度使ってしまう生活をしている。
「そっか。じゃあ、俺が荷物持ちしてやるよ」
「え・・・あ・・・ありがとう」
思いがけず弟と二人で近所のスーパーまで出かけることになった。
なんだかそんなの久しぶり過ぎて、気恥ずかしい。
小さな頃、よく二人でお遣いに出かけた。
更に小さな弟の手を引いて、弟のスピードに合わせてやって歩いたっけ。
それじゃ今は、弟のほうが私に合わせてくれている。
手こそ繋ぎはしないけれど、あの頃に戻ったみたい。
ちょっと情けない姿も見せちゃったけど、黒い自分を知られずに済みそうだ。
そして今度会う時には元気で、幸せな姉の姿を見せたい。
そんなことを考えながら、私は弟の隣を歩いた。
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