プラットフォーム①

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「常連さんだったらしいね?せっかくだから、中見て行ってよ。今、店じまいセール中だよ」 「え、は、はい・・・」 強引に掴まれた手を振り払えず、言われるまま店内に入った。 「前にあんたのことを話したら、坊ちゃんが『常連さんだから丁寧に対応して』っておっしゃったんだよ」 「坊ちゃん・・・?」 私はこのオバチャンと彼の関係が理解できず、思わず聞き返す。 「ああ。あんた知らないんだね。坊ちゃんは社長令息で、私は長年その家に仕える家政婦なんだ」 「そ、そうなんですか。知らなかった」 話の半分は知ってた。で、この人は家政婦さんだったということは初めて知った。 「坊ちゃんが都合の悪い日は、こうして店番任されてね~。前には常連さんだって知らずに、失礼なこと言って悪かったね」 「い、いえ。ぜんぜん気にしてないですから」 おそらく、前に『あの子目的だろ』と言ったことだろう。 あの頃は全く彼目的ではなかったけれど、結局どっぷり彼にハマったのは事実だし。 私は彼女の話を聞きながら、とりあえず店内を見るふりをした。
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