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「違わない。現に今こうして触れ合ってる。僕たちは同じ世界に居るんだよ」
彼は両手で優しく頬を包み込んで、自分の方を見るよう私を促した。
「ダメよ。私なんか・・・」
良いわけがない。不倫して、あんな恥ずかしい写真撮られて、最悪な女だもの。
私は彼の手の誘導とは逆に、下を向いた。
「さっきからそんなことばっかり言って。もう僕のことキライになった?」
「・・・」
愚問だ。
もしもキライなら、とっくにこの腕を振り払ってる。
あの写真を見られてたことも、動揺に値しない。
キライになれるならなりたかった。
そうできたらどんなに楽だったか。
そんなに軽く、こんな質問しないで欲しい。
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