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「ここに居る皆にも知ってもらえばいいわ!あなたがとんだ非常識女だって!」
彼女には、私の声なんか聞こえてない。私に制裁を加えることしか、頭にないようだ。
いわれの無い制裁。なのに止められない。
私はこのままここで、みんなのさらし者になるんだ。
こんな結果になるなら、少なくとも真理さんに『ありがとう』と伝えたかった。
そして、出来ることなら『愛している』と『私は、あなたとの未来を夢見ていた』と。
ほぼ諦めた私を前に、さらに勢いづく彼女。
ついにバッグから紙袋を取り出して高々とそれを振りかざした。
「あなたには、しんちゃんを好きになる資格なんか無いのよ!」
確かに私には、真理さんを好きになる資格なんて無い。
私のしてきた恋愛は、許されるものではない。
だから、真理さんに追いすがることはしなかった。
張り裂けそうな思いを閉じ込めるために、ここを離れようとしてる。
だけど・・・
それでも許されないんだ。
不倫の代償は大きい。
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