プラットホーム②

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「可哀想に。こんなに震えて・・・」 一歩、二歩、私に近づいた彼。 差し伸べられた手が、私の頬に優しく触れた。 ゾクゾクッ まるで電流のように、そこから全身が痺れる。 「樹里、僕はお前がその写真を使って京香さんを脅したことも・・・知ってるんだ」 彼女に背を向ける格好で静かに言うと、彼は少し辛そうな表情をみせた。 「わ、私はしんちゃんのために・・・」 驚きと焦りの色を浮かべた彼女が弁解を始める。 だけど、彼女の言葉が終わらぬうちに真理さんは私に話しかけた。 「遅くなってごめん。もう大丈夫だよ」 そのままギュッと抱きしめられて、今度は全身から放電するように力が抜ける。 この人は、こんな私の味方になってくれるんだ。 こんな公衆の面前で、大切なあの娘じゃなく、私を・・・。 ああ・・・、このままこの腕の中に溶けてしまいたい。 そうすれば、ずっとずっと一緒に・・・。 長い長い緊張状態から解放され、私は更に脱力していった。 「私・・・私・・・」 伝えたいことや聞きたいことが一気にあふれて、なにから伝えて良いのか分からない。 「いいよ。何も言わなくてもいい。よく耐えたね」 「う・・・ん」 その優しい言葉に、全てが集約されている気がする。 私は完全に彼に身をゆだねていた。
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