第14話

24

　期末試験が近づくにつれて、養成高校には幽霊のような生徒が目立ち始めた。成績をあげるためには猛烈に勉強するしかない。一日のカリキュラムがぎっしりと組まれている東島(とうとう)では、人に差をつけるには睡眠時間を削るしかないのだ。睡眠不足でふらふらの生徒が歩き回り、あちこちにおかれたベンチで死んだようにうたた寝している。

　ガリ勉も無理はなかった。
　進駐官養成高校の成績は卒業後も一生ついて回る。将軍になろうと、同期からはクラスで23番目だったとからかわれるのだ。もちろん徹底した学歴主義の進駐官制度だから、昇進も半分は成績によって決められる。