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「この成績を見ると、悔しいけど実力はほんものみたいだな。親のコネとか財力だけじゃ、ジョージのつぎにはこられないだろ。しかしなんでそんな金があるのに、進駐官になんてなるのかな。おれなら家継いで、贅沢(ぜいたく)に遊び暮らすぜ」  クニの背後に背の高いメガネの少年が立った。クニの肩を軽く叩く。 「ちょっと挨拶(あいさつ)させてもらっていいかな」  掲示板の前は広いホールになっていて、多くの生徒が集まっていた。ジョージは一目置かれていたので、周囲に自然にスペースができている。爽(さわ)やかに笑うと、きれいな黒髪の少年がいった。 「初めまして、五王龍起(たつおき)です。コネではなく、ぼくはきちんと編入試験を受けて合格しているよ。親の仕事で、しばらくエウロペにいたので」
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