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第1話
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ジョニーは事あるごとに死にたいと思った。
彼には多少の友人と生活していけるだけの金があり、仕事は単調でつまらないが、とりあえずの働き口があった 。
住みかはオンボロでも自分の住みやすいように工夫しているし、家族との関係もこれといった摩擦もなくそれなりにやっている。
過去に大きなトラウマもなく、心の傷と呼ぶにはセンチメンタルすぎる出来事ぐらいしかなかった。
それにも関わらずジョニーは事あるごとに死にたいと思った。
それは、死への憧れなのか、生きることからの逃避なのか、それ以外なのかジョニーにはよく分からなかった。
そうであるように思える時もあれば、全く違うように思えることもあったからだ。
ただジョニーの頭の中にはいつも死ぬ時のイメージがチラついているような気がした。
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