明かされた真実

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「明日退院だからと言っても、完治の判断は早いわ。 場所が場所だから、身体の不調がいつどこに出るかもわからないし」 小枝は心配を口にしながら、どこか上の空でいた。 自分の感情を抑え込むためには、そうするしかないからだ。 病室のドアがノックされ、食事が運ばれてくると、小枝は甲斐甲斐しく世話を焼き、一緒に食べようと言い張る貴彦を押し留まらせる。 「私は家に用意してきたら。さ、早く食べないと無理矢理口に入れちゃうわよ」 ふざける小枝に笑いかけながら、貴彦は食べ始める。 小枝は彼を眺め、時々話に合わせて喋りながら意識していた。 心に渦巻く何かが笑顔を取り去ろうとするのを...。 貴彦の食事が終わったところで、お茶を、と小枝が立ち上がる。 貴彦は、既に小枝の変化に気づき始めていた。 お茶はいいと断ったが、小枝は、半ば強引に部屋を出て行った。 (どうしたんだろう。体調が悪いのだろうか。連日だしな...無理を言って来てもらったようなものだが、明日は...) 貴彦が己のエゴと葛藤している間、小枝は売店まで急いだ。 呼吸を鎮め、お茶とミネラルウォーターを2本買い、ゆっくり病室に戻る。 貴彦にお茶を渡し、ミネラルウォーターを冷蔵庫にしまいながら、喉が渇いたら飲んでねと声を掛ける。 そしてすぐに貴彦に抱きつく。別れ際にこうするのが自然だと考えて。 貴彦は切なそうに小枝の名を呼ぶ。 「明日会えるわ...今夜はゆっくり休んで」 そう言いながら、包帯の巻かれた貴彦の頭をそっと撫でる。 貴彦は、小枝の両手を取り、その瞳をまっすぐ見つめる。 「小枝、身体無理してない?なにかあったら、必ず僕に言ってくれ。 明日...会いたい気持ちは大きいが、君の体調が良くないなら、無理せず家で休んでくれていいから」 小枝は彼の言葉を有り難いと思い、心からありがとうと言えた。 貴彦はそっとキスをすると、小枝の気持ちを汲んで、すぐに離れる。 「いつも僕のわがままに付き合わせてごめん」
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