第3話 波乱の桜咲祭(おうえさい)

39/41
2595人が本棚に入れています
本棚に追加
/258ページ
「ワイのパートナーはやっぱり凪ちゃん、お願いしてもええか?」 「当たり前だ。私の全てはお前にくれてやっているからな」 「じゃあカナ。よろしくな。なるべく足は引っ張らないようにするからよ」 「あああああ足引っ張るなんてとんでもない! 私こそ断君の足引っ張っちゃいそうで……」 「まったく……せっかくお膳立てしたのに、カナがあぁでは先が思いやられますわ」 『麗香お嬢様は優しいなぁ! 自分のお付きのメイドの色恋事情まで手を差し伸べるとはよぉ』 「……和真、ポッピー。だからと言って負けるわけじゃないので、手を抜いたらわかってますわね? この麗香に不可能はありませんの!」 「じゃあ丸男、しっかり私を守ってね♪」 「え……僕、律子ちゃんとペアなの!? いつ決まったの!?」 「あ、あれ? みんないつのまにかペア組んでる?」 「……じゃあ仕方ないわ。亮、やるわよ! 私たち双子のコンビネーション、見せつけてやろうじゃないの!」 「ねぇねぇ無限君、私と組もうよ! 強い人と組んでおけば私も有利だしさー♪」 「……ケケケ、打算的な考えだなおい。まぁ、正直なのは悪くねぇがな」 「……わかってるな京香」 「……えぇ。この戦いで彼女に勝って、約束通り別れてもらいましょう」  気づけば刃&光、翔矢&凪、断&カナ、麗香&和真(&ポッピー)、丸男&律子、亮&美瑛、里沙&無限、京香&かなめ。それぞれもうペアが出来上がっていた。 「……」 「……マリマリ」  頭を抱えたのは、頭が痛いからではない。いや、これからそうなるのか。そんな先のことを考えて、マリルは1つ長い溜め息を吐いたのだった。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!