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参加者全員が所定の位置につき、準備が整う。
投げる順番は画面の通り、最初は京香とかなめのペア。
「ちなみに、相手に響く言葉というのは、なにも感動させるだけじゃない。動揺させたり、怖がらせたり、困らせたり、恥ずかしがらせたりすることも有効だ。そして同じ言葉は同じゲーム中には二度は使えない。それも覚えておいてくれ。じゃあそろそろ始めるか。2人とも前へ」
流斗の最後の説明が終わると、2人が促されて前に出る。
「では、しっかりやれよ」
「わかってますわ」
かなめがピン役、京香が投げる役。しっかりコンタクトを交わし、かなめはピン役の立つ場所に移動した。
「さて、お手並み拝見ね」
「だな」
ギャラリーと参加しない組は端に移動して観戦。刃と光もその様子を固唾を飲んで見守る。
なにせこの1球は、このゲームの流れを全て決める1球と言っても過言ではない。
「いきます」
京香が構え、そして投げるモーションをして叫んだ。
「お前が……欲しい!」
『…………』
超おそーく球が画面を転がっていく。今にもガーターにいきそうだ。まずい、これはまずい。全く響いていない。
「お、お前はバカか!? お前にそんな台詞を言われても私に響くわけが──」
「と翔矢様に言われた!」
「ハウッ!」
『カコーン! ストライーク!』
恐ろしい曲がり方とスピードを加速させた球がピンの真ん中を貫いて、全てのピンをなぎ倒した。
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