第4話 もうひとつの戦い

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「なんだというんだ!? お前はいったい何が言いたいのだ、京香! 私のしていることが間違っているとでもいうのか!?」  その気迫に機械が反応。ボールを投げたと勘違いして画面が前に進む。 「……私は、あなたの今やりたいことがわかりませんわ」  その玉はピンに当たるも、ピンは微動だにせず立ち尽くしている。 「あなたは言いました。彼女は相応しくないから、納得がいかないのだと。しかし、彼女は努力をしているではないですか。しっかりと前を向いているではないですか。それに引き換え、あなたはまるで無いものをねだる子供です」 「なっ……!」  その言葉に、今度はかなめが小さく呟く。 「私が……私が……誰のためにやってると……!」 「……かなめ?」 「……もういい! 貴様などに頼った私がバカだったのだ! 私は私で望みを叶える!」 「り、リーダー!」  そう吐き捨てると、かなめとかなめを慕うメンバーはその場を去ってしまう。 「……申し訳ありません。私たちは棄権致しますわ。盛り下げてしまってすいません。あとはお願いします」  続いて京香と、京香を中心とした穏便派もその場を離れる。 「……え、えっと」 「……さぁ! 突然のアクシデントにも見舞われ、優勝候補であったかなめ京香ペアがリタイア! まだまだ勝負はわからなくなってきました! 果たして優勝はどのペアか!?」  そんな中でも動じずに進行する流斗。その中で翔矢にアイコンタクトを送る。翔矢もそれを理解したようで、一回の首肯で答えた。
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