第6話 ドラゴン退治

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 ならば、ここを畳み掛ける以外に選択肢がない。  光と刃は一回目を合わせ、もう一度龍堂に距離を詰めにかかる。 「2度も同じ手を食うか」 「ごめん皆、せっかく作ってくれたドレスだけど」  光の着る赤の色調のドレスは足元までスカートが降りているため、ものすごく動きづらい。 「今は邪魔っ!!!」  だから、光は太股から下辺りのスカートを引き裂いて動きやすくする。  すべてを隠していたスカートの下から現れたのは、真っ白でスレンダーな美脚。間違えればその上すら見えてしまいそうな短さに。 『!!!?』  それには龍堂や成宮だけではない。一瞬、刃たちも度肝を抜かれる。 「『(げき)』!」  そんな周りを置き去りに、光はすぐさま『激』で身体強化。反応が遅れた龍堂にまっすぐ向かう。 「っ!?」 「はぁっ!!!」  接近戦において、光ほど自信を持っているものはこの場にいなかった。  中学時代の柔道大会では3年間無敗の記録を叩きだし、今もなお鍛練を怠らない。  対して龍堂はI'temの能力こそ強力だが、それ以外は普通の人である。  だから反応が遅れれば、それが命取りになることを光はわかっていた。 「(──とった!)」  光はとうとう龍堂の襟をとった。これなら光の得意技のどれにもすぐに移行できる。  これで、終わり── 「『(リペル)』!」  そう龍堂が叫んだ瞬間、光の掴んでいた手が弾かれる。 「なっ!?」  その時に光は見た。龍堂の指にあった指輪の数が増えたのを。  さっきまでは人差し指と親指に1個ずつ着いていた指輪が、今は両手の中指にも装着されている。  そして中指を親指で押さえて弾きながら紋字を使った。  ここまでも、流斗が考えていた通りだ。
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