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もはや涙目の光。やめろ、高校生が小学生に論破されるなんて、そんな事態は避けてくれ光。これは俺達の今後の行動にも響くのだから。刃は懇願する。
『ママ? どうしたの? どこかいたいの?』
光の心情を察せない藍は、泣きそうなママを励まそうとする。それがさらに光の心を抉った。
『なかないで、ママ。あいがおしえてもらった“おまじない”してあげる! いたいのいたいの、とんでけー!』
「アイアイアイアイ、アーイ!」
「やめろ! 止めてくれ藍! これ以上は光のメンタルが保たない!」
さすがに刃も止めに入る。これ以上……見ていられない……!
「刃! キスするわよ!」
「お前も自棄になんなよ!? 正気を保て!」
『……あ! そっか、それをパパとママはこんどの“ぶんかさい”でやるんだね!』
その言葉に、刃は何故藍がこんな結婚などに興味がわいたか理解した。
数日前、今度の文化祭でやるものの内容を流斗と刃と光、そしてもう1人の幼馴染みである風間翔矢と遊んだとき、少しだけ藍に話した覚えがある。
『あい、すっごくたのしみにしてるね! パパとママのおうじさまとおひめさま!』
──そう、それが、全ての元凶だった。
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