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「…先生…」
「……」
先生は、何も言わず、
長いため息をついた。
「…椎名」
頭の上で、ぽつりと呟く。
「…はい」
「…椎名…」
「…はい」
「……」
そしてもう一度、
さっきよりも長いため息。
「…先生…」
わたしは、先生のスエットを
きゅっとつまんだ。
「だいすき…」
先生はゆっくりと身体を引くと、
わたしの顔を覗き込んだ。
しっとりと潤んだ
コハク色の瞳に、
ドキッとする。
…もしかして…。
いよいよ、言ってくれるのかな。
『俺もだよ』的な、何かを…。
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