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お酒なんて飲みたいと 思ったことは無かったけど、 …こんな夢見心地になれるなら、 好きになれるかもしれない。 二人きりの広いリビングに、 舌を絡める音と唾液を吸う音が、 やけに大きく響く。 それが恥ずかしくて堪らないのに、 先生を欲しがる自分を 止められない。 横に並んで座って キスしていたはずなのに、 気付くと、わたしの身体は 背もたれに押し付けられて、 先生の重みを受けていた。 二人の身体の ぴたりと重なった部分が、 熱く、熱を持ち始める。 こんなに激しい鼓動は、 どちらの胸から 響いているんだろう。 わたしの…。 それとも、先生の…。 …もう、二人の境目さえ、 分からない。
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