ドラゴンスケイル王国

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ここは小国家群のうちのドラゴンスケイル王国という一王国だ。 とある帝国の支配下だったこの地域は重税を課せられ毎日餓死者が出るほど搾取されていた。 それに心を痛めたこの地域の近くの山(ツヴァイのダンジョン傍の山)で隠遁生活を送っていた元英雄が帝国からの独立運動を起こした。 その英雄の伝手で、ある竜族が力を貸した。 その竜族、水竜の古くからの友、一体の聖竜もこの地に降臨した。 その聖竜から一枚の鱗を貰い受けた元英雄はそれを元に鎧を作り上げた。 その鎧を作ってから独立軍は戦による傷を負うことも減り、独立軍の抵抗に手を焼いてた帝国軍は各地に次々に発起した諸侯の謀反により滅びた。 その帝国の領地を離反した諸侯と独立運動の功労者の元英雄がそれぞれ分けて国を立ち上げた。 そして独立軍を率いた元英雄が作ったのがこのドラゴンスケイル王国だ。 聖竜の鱗を元に作られた鎧は今でもこの国を守っているといわれている。 しかし英雄の血の薄れた王族は暗愚な王が多くなり貴族の台頭を許した。 権力を手に入れた貴族達は徐々に国を腐敗させていった。 今現在もこの国の中枢は貴族による権力闘争が起きている。 それに巻き込まれたのがアリアの家だ。 この国の行く先を案じたアリアの父は一部の王族と協力し腐敗した貴族の排除に乗り出そうとした。 しかし情報を先に掴んだ腐敗貴族により国家転覆を謀ったと謂れなき罪を着せられて投獄されたらしい。 王都に送り込んだアサシンからの情報によると近いうちにアリアの家族は処刑されるらしい。 腐敗貴族の排除に乗り出した王族も国王の暗殺を謀ったとして投獄中だ。 アリアの家族を助けるには早いうちに動かなくてはならない。 しかし現在のダンジョンの戦力では助けには行けない可能性が高い。 ひとまずアクアに話してアリアにどう伝えるか、今後どう動きたいか確認するとしよう。 出会って間もない二人だが力を貸したいと思っている。 その為の策もない事はない。 勝算は低い策とも呼べない策になりそうだが…
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