ドラゴンスケイル王国

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集めた情報を伝える為にアクアを自室に呼び出した。 部屋に入ってきたアクアは何故か顔が赤い。 「あ、あのお呼び頂きありがとうございます。 経験は御座いませんが精一杯ごほう「そういう目的で呼んだんじゃない」そうでしたか。 私みたいな女はツヴァイ様の好みではございませんよね…」 激しく勘違いしているな、こいつ。 誤解を解いてもいいがそれよりも話を進めないといけないな。 「アリアの家族の情報が集まった。 それをアリアに話す前にお前に聞いてもらおうと思ったんだ。」 そう告げると顔色が変わる。 「旦那様と奥様はご無事ですか!?」 そういい詰め寄ってくる。 最初からその態度で来てくれたら余計な時間を使わなくて済んだのだが。 「結論から言うと今は無事だ。」 「今は、といいますとやはり…」 「予想はしていたかもしれないが処刑される予定らしい。 俺としては助けてやりたいとも思うが、現状の戦力を考えるとな…」 そうゴブリンやゴーレム数体しかいない戦力で小さいとはいえ国を相手に出来るわけがない。 「そうですね、そこまでしていただく理由も御座いませんし…」 「策がないわけではない。」 アクアの表情はコロコロ変わる。 落ち込んだと思ったら表情を輝かせる。 「ただしこれには危険も付きまとう。 さらに成功する確率も正直無いに等しい。 それでもよければ、だな。」 俺がそういうとアクアは少し考えた後に覚悟を決めた顔で言った。 「私の身の危険だけで済むなら助けて頂きたいです。 ただその危険がお嬢様にも及ぶならば…」 まぁそういうと思ったよ。 俺は少し考えた素振りを見せながら答える。 「一つ目の策ならば成功率は少し上がるだろうがアリアにも危険は及ぶ可能性はある。 二つ目は危険があるとすれば俺の身だけだろうがアリアの家族を助けれる確率は運次第だろうな。 どちらを選ぶもお前達次第だ。 先にお前に話したのはアリアよりも客観的に話を聞きそうだったからだ。 この後お前達二人で話をして決めろ。 後二つ目の策の俺の身の危険に関しては考える必要はない。 アリアにはそれを伝えずに相談しろ。」 そう言うとアクアを退室させた。 さて、どちらを選ぶのだろうか。
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