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「まあ話はこれで終わりだ。また何か進展があれば話すようにする。」
俺はそう言ってこの場を去ろうとするが、
「あの、ツヴァイ様。」
アリアに呼び止められた。
「なんだアリア、まだ何かあるのか。」
アクアにからかわれたせいで若干不機嫌になりながらアリアに聞く。
「ツヴァイ様は私達に普段は自由にしてていいとおっしゃいました。
ですが何かお手伝い出切る事は御座いませんか。
両親を助けに動いてくださるにも関わらず私だけ何もしていないというのは…。」
うーむ、正直アリアに出来ることなど何も無いように思う。
ゴブリン共の前に出すのは危険だからダンジョン内を動くわけにもいかない。
「手伝いか…逆に聞こう。
アリア、お前は何がしたい。お前が得意な事、これからやりたかったこと。
そういうものがあればそれに精を出すといい。
ダンジョンの手伝いなどお前達が進んでするものではない。
お前の家族が戻ってきた時その手が汚れていたらこの先どうする。
…アクアもやりたいことを、好きなことをやればいい。
ここの事は気にするな。お前達の力など借りなくても問題ない。」
正直この先猫の手も借りたくなるだろうが現状本当に二人にやらせることなど無い。
「あら、ツヴァイ様、わたくしのやる事は変わりませんよ。
アリアお嬢様のお世話とツヴァイ様のお世話をすることです。
わたくしはメイドとしてはまだ一人前とは言えませんが、それだけをしてきましたので皆様の身の回りのお世話をさせて頂くだけで御座います。」
ニッコリ笑いながら言ってくる、コイツ…なんか性格悪そうだ。
いや、俺と合わないだけか?
今まで会った事のない性格だから慣れていないだけだろうか。
まあどちらにしてもやりたいことがあるならそれをやればいいさ。
「好きにしろ。ただし生活区とコアルーム以外には行くなよ。
ゴブリン共に犯されても知らんぞ。
アリア、やりたいことも好きなことも無ければこの先それを探していけばいい。
とりあえず貴族の娘としてではなく、好きに生きてみろ。
と言っても今の俺には甲斐性という物がないので欲しいものがあってもやれんがな。」
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