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情報を集め終えてから数日後、アサシンの情報どおり侵入者がやってきた。
ただし今回からはアリア達もいることだし入り口に立て札を置いた。
『この先に入ってくる者に容赦はしない。
ダンジョンに悪意を持たず危害を加えない者はその限りではない。
ただし攻略を目指す者達は生かして帰す気はないので全力を持って相手する。』
と書いた立て札だ。
俺とダンジョンの魔物達だけだったら立て札を置くこともせず容赦はしなかっただろう。
しかしアリアとアクアがここに住んでいる以上俺はこのダンジョンを攻略させるわけには行かない。
今までは攻略されたら俺と魔物達が死ぬだけで済んだが今は無関係の保護している者がいる。
その為死ぬわけにはいかないと考えるようになっていったのだ。
「ゼロ、俺は弱くなったんだろうか。
昔ならこんなこと考えなかっただろうに…
洗脳されて自身以外気に留めなかったあの頃のほうが強かった気がする。」
「マスター、それは人それぞれかと思いますよ。
孤独であること、周りを気にしないことで強さを持てる者もいれば、守る物がいるから強くなることの出来る者もいる。
私はそう思っています。
私は死を告げる妖精ですからほとんど孤独でしたけどね。」
そう言ったゼロは哀しそうに見えた。
「でも今は俺もいるだろ。
お前の強さがどんなものだろうが構わないが俺はお前がいてくれて助かっている。
いい仲間だと思っているよ。」
少しクサイ台詞だがたまにはこんなこともいいだろう。
俺に仕えてくれる皆には感謝もしなければならないだろうし服従してるとはいえ魔物達に嫌われ駒のように魔物を扱うのも今の俺には気が引ける。
しかしこの言葉はゼロには衝撃的だったらしい。
「私達を仲間などと…
そんな言葉をお掛けくださるマスターはほとんどいません。
私はこれからもマスターの為に命の限り仕えると誓います。」
やはり俺はいい部下を持ったようだ。
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