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「お嬢!」
「んぁ?」
気の抜けた返事を返すのは、この桜丘学園高等部2年の鷹宮 楓(たかみや かえで)。
黒髪アシメショートのノラ猫系女子。くっきり二重のネコ目で、肌の色は白く、体型はスレンダーに見えるが制服の下は出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込んでるという隠れナイスボディーだったりする。
補足だが、カップはE。
“お嬢”と呼ばれてはいるが、何処ぞのご令嬢ではない。
性格が余りにも男前過ぎて、楓を慕う者たちが勝手に呼び出したアダ名だ。
そして、その性格故に学園(主に生徒)に恐ろしい程の影響力を持つ。
「何か用か?ポチ。」
そして、楓を慕う者たちの中でも飛び抜けて懐いているのが、この男ーー。
「ポチじゃねぇ!銀次だ!」
『黒澤 銀次』(くろさわ ぎんじ)
楓と同じ高等部2年。
赤髪ショートの男前。身長180cm。細身だが、その服の下はバランスの良い筋肉がついている。
楓とは中等部の頃からの仲だ。
この二人が連むようになったきっかけは、この桜丘学園では有名だ。事件と言っても良い程に有名すぎるが、ここでは割愛。
因みに、この銀次。“ヤ”の付く武闘派集団の次男坊だったりする。
兄の『黒澤 泰呀』(くろさわ たいが)は成人しており、家督を継ぐ為、色々と頑張っているそうだ。
「お嬢!今からメシだろう?一緒に食おうぜ!」
ガサガサと音を立てて持ち上げた銀次の右手には、パンやらオニギリやらが入ったコンビニ袋。
…育ち盛りの高2男子がコンビニ飯。
「…ポチ。弁当は?」
「忘れた。てか、ポチじゃねぇ。」
「はぁー…。仕方ない。少し分けてあげるよ。」
「やりぃ!」
銀次が犬なら、凄い勢いで尻尾を振っていそうだ。
楓が銀次をポチと呼ぶのは、これが理由だったりするのは秘密。
「お嬢。場所は?」
「アタシは屋上がいいなぁ。」
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