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「……お帰りなさい」
依舞はニッコリと笑った。
「ただいま」
僕はぎこちなく笑った。
依舞と暮らし始めて半年以上経った。
これまで色々なことがあった。
まず第一に、僕と暮らすまで依舞は僕の本名を知らなかったということ。
『吉岡だと思ってました』
そう驚く依舞に対して驚いたのは僕の方だった。
確かに『吉岡先輩』という呼び方で初めに呼んできて、それを否定してなかったけど……ずっと勘違いされていたとは思わなかった。
デートに行くとき学生証や免許証を出したこともあったから気付いているものだと思っていたが、気付かなかったらしい。
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