焦りと束縛

4/10
26人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
第二に、依舞がこの生活に不満を言わないということ。 これも僕にとって驚きだった。 色んなところに遊びに行った。 遊園地も行ったし水族館も行ったし海も行った。 欲しいものも何でも買ってあげた。 でも、それは全部僕と一緒にいるという前提だ。 依舞に僕無しの自由なんてない。 依舞には仲の良い家族がいたし、友達だっていただろう。 その、依舞の人間関係は全部取り払われ、残ったのは僕だけだ。 そうしたのは僕だけども、こうも上手くいくと……依舞が不満を言わないと、それはそれで不安になる。 こういうのを我儘というんだろうか。 「夕飯、作ります?」
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!