26人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうしようか」
「今日は何を作りますか?」
「今日は……」
二人で仲良く喋りながら台所に買ってきた食材を運ぶ。
「――先輩、本当料理上手ですよね」
僕の包丁さばきを見て、依舞は言った。
「私も料理しないってわけじゃないけど。先輩に比べたら下手だし遅いし……」
「慣れだよ、慣れ」
「料理、趣味なんですか?」
……嫌いではないけど好きではない。
義務だったからやっていただけのこと。
どう返答しようか迷っていたら依舞は話を変えてきた。
「この時期にトマトって高いんじゃないですか?」
……第三。
不満を言わないだけじゃなくて、依舞は違和感を感じるほどに僕に気を遣ってくるということ。
最初のコメントを投稿しよう!