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依舞は僕が大学を辞めたと思っている。
僕は卒業に必要な単位は取り終わっているから毎日大学に行く必要はない。
でも、ずっとこの家にいるわけではないし、生活用品の買い出しにかかる時間以上に外出しているのくらいはわかるはずだ。
それがわからないにしても、どこからお金が出てるのかとか疑問に思わないのだろうか。
僕は依舞を愛してる。
全てが愛しく思える。
外見も、声も、仕種も、何もかもが。
絶対、手放したくない。
でも、心のどこかで思っていた。
――依舞が『怖い』と。
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