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今まで僕は自分を偽って生きてきた。
兼元の前ではそうでもなかったが、兼元とはお互いに無干渉でいることが暗黙の了解だった。
どうしたら他人に嫌われにくいかに気をつけて生きてきたが、素の自分をさらけ出して人と接したことがないんだ。
だから、加減が分からない。
どこまでならさらけ出して良いんだ?
どこまでなら偽って良いんだ?
彼女はどこまで僕を理解しているんだろうか。
偽っている部分も本当の僕だと思っているんだろうか。
……いや、違う。
彼女はわかってるんだ。
僕が、話したくない事をいくつも抱えていること。
だから話をはぐらかす。
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