焦りと束縛

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「入籍出来てないけど、私、一応妻ですよ?」 そう言ってガッツポーズをする。 「専業主婦みたいなものだし、家事くらいしっかりやらないと!私のお母さんも……」 そこまで言って、口をつぐむ。 気まずい沈黙。 「……別に、避けなくて良いんだよ?家族の話」 その沈黙を先に破ったのは僕だった。 「……すみません」 「何で、謝るんだい?」 また、気まずい沈黙。 「僕に対してそこまで気を使わなくて良いんだよ?」 「……先輩、あまり自分のこと話さないな、って思うと私も話さない方が良いのかなって気がしまして」
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