第2話 (TOMOMI'S Side)

2/6
前へ
/262ページ
次へ
友美は、いったん会社を出て、手帳を買いに行った。 手頃の多さの、たくさんかけそうなものを選んだ。 時間を見ると、あと1時間くらいある。 会社近くまで戻り、近くのカフェに入る。 「今のうちに書き写しとかなくきゃ。」 カフェオレを1つ頼んで、友美はさっき手帳に書いたものを 新しい手帳に書き写していく。 書き終えたときに、改めて見直すと、 本当に休みがない。 (忙しいんだな・・・。みなさんは、休みとかほしくないんだろうか) 友美は1つため息をつくと、 先ほどの話を思い出す。 (坂本さんは優しいし、すごく人を見ている。仕事には厳しそう。 長野さんも優しいけど、あんなおちゃめな人だったんて) 友美もV6というグループは知っていた。 コンサートも以前は何度か足を運んでいた。 だが、就職してから、仕事が忙しく、CDやDVDは購入するが コンサートには行けずにいた。 (ここの所、コンサートなんて言ってないしな・・・。) (だけど、あんなに二人がかっこいいなんて・・・) カップを両手で持ち、思いにふけっていると、 携帯が振動した 表示を見ると、「長野 博」の文字。 あわてて電話に出ると、 「あ、つながった?長野です。今どこにいるの?」 電話の向こうには何人かの声がする。 「今は、会社の近くのカフェにいます。今から会社に戻ろうって思ってて・・・」 時計を見ると、そろそろ戻らなきゃいけない時間だった。友美はあわてて返事をした。 「今すぐ戻ります。何かあったんですか?」 友美のあわてた声に、長野の声が一層優しくなる。 「ん?なにもないんだけど。今からひまかな~って思って・・・」 その言葉に拍子抜けした。 「今から、ほかのマネージャーさんたちと打ち合わせなんです。」 友美が申し訳なさげに話すと、どこかで聞き覚えのある、特徴的なこえが長野の後ろでする。 (カミセンのみなさんが一緒??) 「そっか~、何時に終わるか、わかんないよね~」 長野がちょっと名残惜しそうにいう。 「じゃさ、終わったら、俺か坂本君に電話して?」 長野の後ろで「え~?!」っという声がする。 「何時になってもいいから、電話してね」 そういうと、長野の電話は切れた。
/262ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加