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「えっと・・・。」
友美は男性マネージャー陣の会話についていけず、おろおろしていると、
斉藤が「あ」と声を上げた
「五十嵐さん、来週の木曜なんですけど・・・」
ようやくマネージャーの仕事の様相を呈してきた。
斉藤が手帳を見ながら渋い顔をしている。
「…田上さんを、健か剛につけることできますか?」
友美は自分の名前が出てきたので、手帳を開いて耳を澄ます。
矢野も自分の手帳を見ながら、自分の行動を考えている
「矢野は、朝、井ノ原について、情報番組に行った後、すぐに岡田について取材が入ってます。井ノ原の番組が終わり次第、五十嵐さんにピックアップしてもらって、トニセンはラジオ・・・。」
矢野は、何かを思い出したように顔を上げた。
「確か、剛が雑誌の取材、健が舞台の打ち合わせでしたね。」
もう一度、斉藤が五十嵐に尋ねる。
「どちらでもいいんですが、つけられますか?」
五十嵐は、少し考え込んで、別の提案を出した。
「俺が、どっちかにつくってのは?」
斉藤は、ちょっと驚いた風に顔を上げた。
「…確かに、ちょっとはそういう風にも考えましたが…。ラジオの後、アルバムの打ち合わせで、お偉いさんとあうんじゃありませんでした?」
五十嵐は、少し渋い顔をして、決断した。
「…ま、しょうがないね、どっちかを田上さんに頼もう。どっちかは、今晩中に決めるし。それでいい?」
斉藤は、安堵した表情で「ありがとうございます。」と返事した。
そして、友美のほうを向き、説明する。
「どっちの仕事も、マネージャーが出ていくようなことはほとんどないから。
一緒に行って、説明聞いて、メモってくれればそれでいいし。あと、終わったら連絡もらえれば、終了で、むかえにいくから」
友美は、新たに加わった仕事を手帳に書き込む。
「田上さん、今日これから、どっちにつくか、決めるから。詳しいことはそのあとね」
矢野に目配せされて、友美はきょとんとするばかりだ。
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