第3話(TONISEN’S Side)

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そんなこんなをしていると、五十嵐が戻ってくる。 「2人は今からどうする?」 二人は顔を見合わせ、どうしようかと思案した。 「よければ、健と井ノ原と合流して、アレンジをちょっとでも進めてほしいんだけど・・・。」 そこまで言うと、ちょっと言いにくそうに五十嵐が言う。 「もしかしたら、岡田がリハーサル出る時間が少なくなるかも。 ほかの5人は何とか確保するけど、岡田だけは、難しそうだ。だから、できれば…」 そこまで聞けば、二人には五十嵐が言わんとするところがわかる。 「わかった、でも、さっき、井ノ原に電話したら、もう終わるとかいってたよ」 長野がいうと、五十嵐がえっと驚く。 「早いな~、でも好都合だよ。もうちょっとだけ、進めてもらおう」 連絡するべく、五十嵐が部屋の中を移動し、電話を始めた。 店を予約してしまったため、坂本は長野に目配せをする。 長野はその視線を感じ、笑って答えた。 「店を予約してみんなでご飯食べに行くとでも言っとけばいいんじゃない?」 五十嵐が電話を終え、二人のもとの戻ってくると、長野が尋ねる。 「その作業って、全部終わらないとダメ?」 いつもは、全部終わらせないと気が済まない長野がそんなことを言う。 「?どうして?なんかあるのか?」 長野は苦笑いをしながら、答えた。 「さっき、井ノ原に電話したって言ったでしょ?早く終わりそうなら、飯、一緒に行こうって話してたんだ。…で、店、7時に予約しちゃって」 五十嵐は笑って返事した。 「いや、大丈夫だろう。健と井ノ原がだいぶ進めてくれて、日程的にはちょっと余裕できてるみたいだし。ただ、岡田のこと考えると、少しでも余裕があるとうれしいだけだし。」 坂本は、胸をなでおろし、わかったという風にうなずいた。 「じゃ、今から合流すればいいんだね。帰りは?」 「現地解散でもいいし。どうする?」 五十嵐の心遣いに感謝し、4人とも現地解散となった。 (結果オーライって感じだね) 長野が坂本に耳打ちした。それを聞いて、坂本はにっこり笑う
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