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「あ、あの・・・。いきなりで、頭の整理が・・・」
そこまでやっとのことで言い終えると、
五十嵐さんが、笑い出した。
「そうだよね、出社初日にいきなり、こんなこと言われて、
どうしようって思うね。・・・わかったちゃんと説明しよう。
具体的にもどうしていくか、ここ1週間の動きも覚えてもらうから」
さらっと仕事内容を説明する五十嵐チーフに、坂本が助け船を出す。
「五十嵐さん、ちゃんと言っておかないと、
前みたいなことになるよ。」
そういって、コーヒーメーカーからディスポのコップにコーヒーをついで
友美の前に置いた。
「とりあえず、座ろう。ちょっと落ち着いて説明するから」
そういって、席を進めてくれた。
「あ・・・ありがとうございます」
遠慮しつつ、着席すると、友美の前に五十嵐、右斜め前に坂本が座る。
勧められたコーヒーをすすると、ちょっとだけ落ち着く。
落ち着いた頭で思い出したのは、手帳をだすこと、メモを取ること。
「うん。基本はできそうだね」
坂本が一言、つぶやいた。
(手帳を出して、メモを取るのが基本?)
ちょっと意外に思いながら、五十嵐さんが資料を提示してくれた。
「V6ってグループ知ってるよね。…君には、そのマネージメントの補佐をしてもらうことになる。・・・つまり、最初は俺の下について、こまごまとしたことをやってもらうことになる。いいね。・・・で、具体的には、俺が現場にいけない時に行ってもらうこと、タレントたちとスケジュールの確認を取ること、俺にスケジュールの調整を聞くこと、それをメンバーに伝えること。」
(報告・連絡・相談ってことか)
頭の中で端的にまとめると、”メンバーのスケジュール・報告・連絡・相談”と書き込む。
会社では、どこでも大事なことである。
「あとは、・・・これは女性ってことで、期待してるんだけど。メンバーの身だしなみ。オフになると、髭、そらないんだよ、こいつら。特に坂本・長野」
「仕事で髭、はやさなきゃいけない時もあるだろ」
坂本がちょっと、不服そうに反論した
「オフんときぐらい、いいじゃない、髭そんままで。めんどくさいんだよな」
「そういう問題じゃないだろ?…ってことで、それも、よろしく」
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