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とりあえず、手帳に「身だしなみチェック」と書き込む。
五十嵐が話を続けた。
「今日から、1週間は俺と一緒に行動して。それを見てできそうなら、来週から一人でついてもらうから」
(そんないきなりですか?!)
友美の心で叫んだことが、思いっきり顔にでたみたいだ。
その表情をみて、坂本が吹き出した。
「なんか、『いきなり?』って言いたそうな顔してる。」
表情を読まれて、友美は恥ずかしなり、顔を赤らめる。
(やだ・・・。あたし、思ったこと顔に出るから・・・)
「本当にいきなりで悪いんだけど。コンサートまで、日にちがなくってね。
コンサートに同行してもらわなきゃいけないし、そのほかにも個人の活動もあるしね。トニセンは歌入れもあるし。とりあえず、人が足りないんだ。悪いとは思うけど、お願いするよ」
そこまで言われて、NOと言えないのが友美である。
「…わかりました。慣れるまで、ご迷惑をおかけすると思いますが、
どうぞよろしくお願いいたします」
友美は席を立ちあがり、頭を深々と下げると、腹をくくった。
そんな様子に坂本は、感心した。
「うん、慣れるまでは、相談してくれて構わないから。これからよろしく」
坂本は、笑って手を差し伸べた。
友美は恐る恐る、手を出すと、坂本が握手をしてきた
「取って食おうなんて思ってないから。それとも、俺、怖い?」
坂本が笑って言うと、友美は頭を横に振る。
「…そうじゃなくって。テレビの中の人が目の前にいるのが夢のようで…。
私は、ついこの前まで、芸能人とは全くかけ離れた仕事をしていましたので…。」
わけのわからない、言い訳をすると、また坂本が吹き出す。
「そっか。芸能人、まじかで見るの初めて?」
友美は、小さく「はい」と答えた。
坂本は、友美のそんな様子を見て、からかい気味に話した。
「これから、いっぱい芸能人に会うよ。手じかなところで、もうちょっとしたら
1人来るし」
坂本の言葉で、五十嵐が思い出したようだ
「そっか、長野も来るんだっけ。ついでだ。長野にも挨拶しておこう。
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