第1話

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とりあえず、手帳に「身だしなみチェック」と書き込む。 五十嵐が話を続けた。 「今日から、1週間は俺と一緒に行動して。それを見てできそうなら、来週から一人でついてもらうから」 (そんないきなりですか?!) 友美の心で叫んだことが、思いっきり顔にでたみたいだ。 その表情をみて、坂本が吹き出した。 「なんか、『いきなり?』って言いたそうな顔してる。」 表情を読まれて、友美は恥ずかしなり、顔を赤らめる。 (やだ・・・。あたし、思ったこと顔に出るから・・・) 「本当にいきなりで悪いんだけど。コンサートまで、日にちがなくってね。 コンサートに同行してもらわなきゃいけないし、そのほかにも個人の活動もあるしね。トニセンは歌入れもあるし。とりあえず、人が足りないんだ。悪いとは思うけど、お願いするよ」 そこまで言われて、NOと言えないのが友美である。 「…わかりました。慣れるまで、ご迷惑をおかけすると思いますが、 どうぞよろしくお願いいたします」 友美は席を立ちあがり、頭を深々と下げると、腹をくくった。 そんな様子に坂本は、感心した。 「うん、慣れるまでは、相談してくれて構わないから。これからよろしく」 坂本は、笑って手を差し伸べた。 友美は恐る恐る、手を出すと、坂本が握手をしてきた 「取って食おうなんて思ってないから。それとも、俺、怖い?」 坂本が笑って言うと、友美は頭を横に振る。 「…そうじゃなくって。テレビの中の人が目の前にいるのが夢のようで…。 私は、ついこの前まで、芸能人とは全くかけ離れた仕事をしていましたので…。」 わけのわからない、言い訳をすると、また坂本が吹き出す。 「そっか。芸能人、まじかで見るの初めて?」 友美は、小さく「はい」と答えた。 坂本は、友美のそんな様子を見て、からかい気味に話した。 「これから、いっぱい芸能人に会うよ。手じかなところで、もうちょっとしたら 1人来るし」 坂本の言葉で、五十嵐が思い出したようだ 「そっか、長野も来るんだっけ。ついでだ。長野にも挨拶しておこう。
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