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「今日は初日だから緊張するのはわかるけど、俺ら、これから一緒に仕事をするんだぜ?笑って楽しんでもらわないと。」
坂本が優しいまなざしでいう。
「あ、坂本君が怖くて、笑えないってのもわかるけど」
と長野が付け足す。
その言葉に、友美は大きく頭を振る。
「そんなことないですよ~。坂本さん、とっても優しくって・・・。
頼りがいありそうな方ですもの。長野さんは・・・」
そこまで言うと、長野が友美の顔を覗き込んだ
「俺が、何?」
完全に長野の目が笑っていた。
「意外に、面白い方・・・なんだな~って・・・」
小さい声で、ぼそっと言うと、
坂本が大きくうなずく
「長野って、王子様みたいな顔して、ポロっていう言葉が面白いんだよね。」
「意外ってなんだよ~おまけに、俺、王子様キャラじゃないし。光一じゃないんだから」
長野は笑いながら、友美に突っ込む。
友美はどうしても笑いがこらえられない。
思わず、口元を抑えて笑い出してしまった。
その様子に、坂本と長野は一安心する。
「・・・・・でも、笑いすぎじゃね?」
笑いの止まらない友美にさすがの坂本も突っ込む。
「だって、前から思っていましたけど、トニセンのみなさんの会話って、
面白くって・・・。ラジオでも、コンサートでも。まさか、こんな時も面白いなんて・・・。」
ようやく笑いのおさまった友美は、緊張がどこかへいった感じだ。
「ようやく緊張がとれたみたいだね、だけど、いつもじゃないんだからね」
長野のやさしい釘さしに、友美もにっこり笑って気を引き締める。
「はい。これからよろしくお願いします」
改めて、チーフ五十嵐と、坂本・長野に頭を下げる。
「そうそう、カミセンのほうのマネージャーと打ち合わせが夕方あるから、それに一緒に来てね。それまでは自由だから。」
五十嵐にそういわれ、友美は早速手帳を買いに行こうと考える。
「何かあったら、ここに電話して。」
五十嵐は、自分の名刺に連絡先を書き、友美に手渡した後、部屋を出て行った。
友美は携帯を出し、早速入力すると、坂本と長野が寄ってくる。
「俺らのも登録しておいてね。赤外線ね」
と、自分たちの携帯を出して、友美と連絡先の交換をする。
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