第1話

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「今日は初日だから緊張するのはわかるけど、俺ら、これから一緒に仕事をするんだぜ?笑って楽しんでもらわないと。」 坂本が優しいまなざしでいう。 「あ、坂本君が怖くて、笑えないってのもわかるけど」 と長野が付け足す。 その言葉に、友美は大きく頭を振る。 「そんなことないですよ~。坂本さん、とっても優しくって・・・。 頼りがいありそうな方ですもの。長野さんは・・・」 そこまで言うと、長野が友美の顔を覗き込んだ 「俺が、何?」 完全に長野の目が笑っていた。 「意外に、面白い方・・・なんだな~って・・・」 小さい声で、ぼそっと言うと、 坂本が大きくうなずく 「長野って、王子様みたいな顔して、ポロっていう言葉が面白いんだよね。」 「意外ってなんだよ~おまけに、俺、王子様キャラじゃないし。光一じゃないんだから」 長野は笑いながら、友美に突っ込む。 友美はどうしても笑いがこらえられない。 思わず、口元を抑えて笑い出してしまった。 その様子に、坂本と長野は一安心する。 「・・・・・でも、笑いすぎじゃね?」 笑いの止まらない友美にさすがの坂本も突っ込む。 「だって、前から思っていましたけど、トニセンのみなさんの会話って、 面白くって・・・。ラジオでも、コンサートでも。まさか、こんな時も面白いなんて・・・。」 ようやく笑いのおさまった友美は、緊張がどこかへいった感じだ。 「ようやく緊張がとれたみたいだね、だけど、いつもじゃないんだからね」 長野のやさしい釘さしに、友美もにっこり笑って気を引き締める。 「はい。これからよろしくお願いします」 改めて、チーフ五十嵐と、坂本・長野に頭を下げる。 「そうそう、カミセンのほうのマネージャーと打ち合わせが夕方あるから、それに一緒に来てね。それまでは自由だから。」 五十嵐にそういわれ、友美は早速手帳を買いに行こうと考える。 「何かあったら、ここに電話して。」 五十嵐は、自分の名刺に連絡先を書き、友美に手渡した後、部屋を出て行った。 友美は携帯を出し、早速入力すると、坂本と長野が寄ってくる。 「俺らのも登録しておいてね。赤外線ね」 と、自分たちの携帯を出して、友美と連絡先の交換をする。
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