安らぎ

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俺はいつも通り、誰も来ない美術室で絵を描いていた。 しばらくしたら廊下の方が何やら騒がしくなってきて、こっちに向かってくるように感じた。 最早聞き慣れてしまった、嫌な声。 澤田達だった。 一度だけだけど美術室に金をたかりに来たこともある。 見つかったらたまったもんじゃないと思い、電気を消して教壇の下に隠れた。 「お、開いてる」 ドアの開閉音と数人の話声。 俺がいないと思って早く出て行ってくれないか。 そう思ったが、奴らの目的は違った。 「やっぱ誰もいねーや。美術部なんて幽霊部員ばっかだもんな」 「あれ?あいつは。あの女顔の奴」 「兼元のことか?一回ここに金たかりに来たことがあるから怖くなって来なくなったんじゃねーかな」
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