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荒い息使い、噛み殺したような呻き声、下卑た笑い声。
見なくても何が起きてるかは容易に想像付いた。
こみあげてくる吐き気を押さえて、出来ることなら消えてしまいたいと思いながら、小さく丸まっていた。
「じゃあなー、飯野」
「またよろしくなー」
……一時間くらい教壇の下にいたと思う。
ゲラゲラ笑いながら澤田達は出て行った。
別れの挨拶をして行ったのだから、飯野さんはまだここにいるんだろう。
飯野さんが帰ってから俺も帰ろう。
そう思っていたのに……
「で、誰?」
コンコンとノックするような音が頭上に響くと同時に、飯野さんの声がした。
「いるんでしょ、誰か」
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