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「……良い話だとは思えないけど……でも……」
俺は飯野さんの顔を見た。
「せっかくこうやって二人で話してるんだから本当のこと、聞きたい」
そう言ったら飯野さんは眼をパチクリさせた。
「良い人だね、兼元君は」
「い、良い人なんかじゃないよ。澤田達のこと止められなかったし……」
「むしろ怒って良いでしょ。ここ、美術部の部室なんだから」
「……飯野さんも美術部でしょ?」
「ほとんど来てないのに覚えててくれたんだ?」
そう言って微笑む。
初めて笑った顔を見た。
「……まともに来てるの俺だけだから俺、部長で……名簿とか見てるから流石に同じクラスの人は覚えてる……」
「あ、そっか」
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