安らぎ

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「なんで兼元君が泣くのよ」 そう言って笑いながらハンカチを差し出してくれた。 「ごめっ、お、俺、泣き虫で」 「知ってる」 そう言ってポケットティッシュまで出してくれた。 俺はそれで鼻をかんだ。 「……知ってる、って」 「同じクラスにいたら兼元君がどういう立ち位置にいてどういう扱い受けてるかくらいわかるよ」 ……まあ、確かに、見てればイジメに遭ってるっていうのは一目瞭然だけど。 「顔、酷いよ」 クスクス笑いながら言う。 「元から酷い顔だから良いよ」 鼻かんだティッシュをゴミ箱に放り投げながら答える。
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