安らぎ

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「……え?」 「兼元君には兼元君の良さがあるんじゃないかな。少なくとも、ここにいたのがクラスの人気者だったりしたらその人の口から流れた噂でまためんどくさくなってただろうし。兼元君じゃなかったら私、自分のこと話す気にもならなかっただろうし」 何も言わない俺にどうして接すれば良いのかわからなくなったのか、少し早口で付け足す。 「兼元君のこと馬鹿にしてるんじゃないんだよ?ほら、えーっと……甘口のカレーも辛口のカレーもどっちも美味しいし……反対イコール悪いわけじゃないじゃない?」 それでも何も言わない俺に対して困ったように苦笑する。 「……他に良い例えが思い付かなかったんだけど……」
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